他人のうつを甘えとは思わないけど、自分のうつは甘えと思う心理から抜け出せない
「うつは甘えではない」という意見をよく目にします。
私も他の精神疾患当事者に対して「甘えだろう」と思ったことはありません。
しかし、自分の疾患に対しては「甘えだったのではないだろうか」と感じています。
病中は「もっと頑張らなければ」「こんなのは甘えだ」という思いを抱えてきました。
寛解した今でも、当時を振り返ると「あの時もっと頑張れたのではないか」「病名に甘えていただけだったな」と感じます。
だから、「自分はうつ病を患っていた」と名乗りはしますが、その一方で「自分なんかが(元)うつ病を名乗ったら、本当に苦しんでいる方々に失礼ではないのか」という思いもあります。
「自分みたいな甘えた"自称うつ病患者"がいるから、『うつは甘えだ』という認識が広がってしまうのではないか」とも。
通院していた頃、その話を主治医にしたところ「客観視が大切だ」というアドバイスをいただきました。
「同じことを他人から言われたらあなたはどう答える?」
そう自問するのだそうです。
他人からそんなことを言われたら「甘えじゃないよ」と言えると思います。
だったら、自分に対してもそう言ってあげればいいじゃないか、ということのようです。
うーん。
理屈は分かる。
でも、私の場合は他の人と違って甘えだと思う。
だって、病むに値する事情がなかったんだもの。
家庭環境が劣悪だったわけでもない。
学校でいじめられていたわけでもない。
普通の人生。
それなのに「うつ」?「死にたい」?
どうすればそんな感情がわくのか。
自分より辛い環境に置かれているのに頑張っている方だってたくさんいるはずだ。
「辛さは人と比べるものではない」
それも分かる。頭では。
「人と比べるものではない」としても、この程度で挫ける自分の容量の少なさが嫌になる。
こういう思考だからうつになるんだろう、と冷静に指摘する自分もいます。
自分自身が一番、自分の疾患に対する偏見を持っているではないかとも感じます。
前向きな思考になろうと努める自分もいる。
でも、根本にある考え方を変えることができません。
どうにかしたいんだけど、どうしたものか。